
「森の中の美術館」六本木国立新美術館で、田名網敬一の「記憶の冒険」を鑑賞。
極彩色の作品は、強烈で、その熱量は圧倒的。
田名網敬一は1936年東京生まれ。今回の大規模個展の開幕2日後に逝去された。横尾忠則(1936年生まれ)、草間彌生(1929年生まれ)と同様に、戦争体験世代。その尽きる事のないパワーに驚きを隠せない。

凄まじい田名網の世界に触れて、すっかり感覚が麻痺したところで、最後に美術館の南側正面入り口近くに、彼のオブジェを発見し、もう完全にノックアウト。今回、地下鉄乃木坂駅直結の、連絡通路を使って美術館入りしたので、美術館の曲線と田名網のオブジェの曲線が、しっくり溶け込んだ美しい姿を、危うく見逃すところだった。
国立新美術館
田名網敬一「記憶の冒険」
2024年11月11日まで
ブッグッズでお取り扱いしている田名網敬一の二冊の本のご紹介

空中回路 田名網敬一の楽園
著者 田名網敬一 著
出版社 集英社
刊行年 1986年7月初版
ページ数 143p
1960年からクリエイティヴのベルを鳴らし続けるイメージの配達人、田名網敬一。グラフィックデザインを基盤にして、シルクスクリーン・プリント(版画)、ペインティング、ドゥローイング、立体作品、エクスペリメンタル・フィルム(実験映画)、ビデオなど、様々なメディアを使って、われわれに奇想天外な幸福を届けてくれる。色彩にあぶれ、“福”のイメージに満たされた作品210余点を集大成してみると、そこにはみごとに桃源境が現れる。(帯より)

一〇〇米の観光: 情報デザインの発想法
田名網 敬一 (著), 稲田 雅子 (著)
出版社 : 筑摩書房 (1996/9/1)
発売日 : 1996/9/1
言語 : 日本語
単行本 : A5判・268ページ・ソフトカバー
画家でありデザイナーである著者が、京都造形芸術大学情報デザイン科で行った授業から、アートや映画、漫画に小説など様々なモチーフを織り交ぜて、最も刺激的な部分を切り取ってまとめた本。表題は大学近くの川に沿う100米の中で独自の旅の記録を試みる授業より。
内容
「柔らかい発想」を手に入れよう。表現、自由自在。多彩な感性を発掘する7つのアート・エクササイズ。
1 記憶のモンタージュ―選んでみたい、「過去」の断片。
2 100米の観光―みつけてみたい、「発見」の楽しさ。
3 迷宮の設計図―たどってみたい、謎解きの回路。
4 夢見る装置―覗いてみたい、意識の流れ。
5 仕掛けのある庭―感じてみたい、「宇宙」の呼吸。
6 遊園地漫遊―極めてみたい、人工の楽園。
7 外しの審美眼―探してみたい、価値観の尺度。