2025年04月19日

散歩と文字

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散歩に絶好日和
入り口のショーケース「バウハウスの写真集」を見て、谷中散歩中のインバウンドのドイツ人カップルが来店。
店内に面陳していたmonotypeの小冊子英語版を見つけて、発行はいつかという質問をきっかけに、少し話をする。ドイツのグラフィックデザイナーだという事、そして活版に興味がある様子。その流れで築地活版書体見本帳(復刻版)を提示したところ、「なんて美しい」という感想。そして最初に見たmonotypeの小冊子とともに即購入希望。
monotypeはオランダのアムステルダムで20年程前に自分の土産として持って帰ったもの。必要な人へ届ければと、店に陳列。谷中で見つけたオランダ特集のこの小冊子を、ヨーロッパに持って帰るデザイナーの気持ちに共感でき、売る側としてとても嬉しかった。
本は巡る。
posted by はらぺ子 at 09:34|

2025年04月12日

旅に出よう!

ポカポカと旅に出たいシーズン到来。
毎年1月に発表されるニューヨーク・タイムズ電子版、世界の旅行先で「2025年に行くべき52カ所」があります。その52カ所によると、日本では30番目に富山、38番目に大阪が選出という結果に。
そして1位には作家ジェイン・オースティンの生誕250周年を迎え、関連イベントが開かれるジェインの出身地、ハンプシャーなどの英イングランド南部が挙げられています。
ジェイン・オースティン(1775〜1817年)の小説といえば、典型的な恋愛小説と思われがちですが、彼女の生きた18世紀末の英国のアッパー・ミドル・クラスの女性達の、時代背景や心理がしっかりと描写されており、夏目漱石をして「ジェーンの小説は、平凡にして活躍せる文字を草して技神に入る」、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)にして「シェイクスピアにも比すべき存在である」といわしめた。
当店boogoozにてお取り扱いしているジェイン・オースティンに関係する本をご紹介。

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「ジェイン・オースティンの世界」
松本 啓 (著)
出版社 ‏ : ‎ 近代文藝社 (2011/9/20)
発売日 ‏ : ‎ 2011/9/20
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 155ページ
フランス革命と産業革命の変化の時代に生きつつも、イギリスの田園を背景に、喜劇とロマンスの静謐な世界を創出した、英国女流作家論。

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「ジェイン・オースティン料理読本」
マギー ブラック (著), ディアドレ ル フェイ (著), 中尾 真理 (翻訳)
出版社 ‏ : ‎ 晶文社 (1998/3/1)
発売日 ‏ : ‎ 1998/3/1
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 166ページ

英国小説史上最高の作家とされるジェイン・オースティン。200年前の彼女の家族の夕べの一皿から、おもてなし料理、ピクニック料理など、同家の名料理人ロイド夫人のレシピから76品を紹介。作家の生きた時代の料理レシピが、現代風にアレンジされたものがおさめられている。ご賞味あれ

目次
はじめに 9
オースティンの時代の社交と暮らし 11
作品と手紙にみる食卓 25
マーサ・ロイドのレシピノート 47
家族のお気に入りの一皿 55
友人をまねいて 85
ピクニックとおよばれ 113
貯蔵室の手作りの味 127
パーティと夜食 143
訳者あとがき159
本文引用文献・参考文献163
料理名索引166
posted by はらぺ子 at 11:14|

2024年10月18日

田名網敬一の「記憶の冒険」

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「森の中の美術館」六本木国立新美術館で、田名網敬一の「記憶の冒険」を鑑賞。
極彩色の作品は、強烈で、その熱量は圧倒的。
田名網敬一は1936年東京生まれ。今回の大規模個展の開幕2日後に逝去された。横尾忠則(1936年生まれ)、草間彌生(1929年生まれ)と同様に、戦争体験世代。その尽きる事のないパワーに驚きを隠せない。

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凄まじい田名網の世界に触れて、すっかり感覚が麻痺したところで、最後に美術館の南側正面入り口近くに、彼のオブジェを発見し、もう完全にノックアウト。今回、地下鉄乃木坂駅直結の、連絡通路を使って美術館入りしたので、美術館の曲線と田名網のオブジェの曲線が、しっくり溶け込んだ美しい姿を、危うく見逃すところだった。

国立新美術館 
田名網敬一「記憶の冒険」
2024年11月11日まで

ブッグッズでお取り扱いしている田名網敬一の二冊の本のご紹介

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空中回路 田名網敬一の楽園
著者 田名網敬一 著
出版社 集英社
刊行年 1986年7月初版
ページ数 143p

1960年からクリエイティヴのベルを鳴らし続けるイメージの配達人、田名網敬一。グラフィックデザインを基盤にして、シルクスクリーン・プリント(版画)、ペインティング、ドゥローイング、立体作品、エクスペリメンタル・フィルム(実験映画)、ビデオなど、様々なメディアを使って、われわれに奇想天外な幸福を届けてくれる。色彩にあぶれ、“福”のイメージに満たされた作品210余点を集大成してみると、そこにはみごとに桃源境が現れる。(帯より)


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一〇〇米の観光: 情報デザインの発想法
田名網 敬一 (著), 稲田 雅子 (著)

出版社 ‏ : ‎ 筑摩書房 (1996/9/1)
発売日 ‏ : ‎ 1996/9/1
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ A5判・268ページ・ソフトカバー

画家でありデザイナーである著者が、京都造形芸術大学情報デザイン科で行った授業から、アートや映画、漫画に小説など様々なモチーフを織り交ぜて、最も刺激的な部分を切り取ってまとめた本。表題は大学近くの川に沿う100米の中で独自の旅の記録を試みる授業より。

内容
「柔らかい発想」を手に入れよう。表現、自由自在。多彩な感性を発掘する7つのアート・エクササイズ。
1 記憶のモンタージュ―選んでみたい、「過去」の断片。
2 100米の観光―みつけてみたい、「発見」の楽しさ。
3 迷宮の設計図―たどってみたい、謎解きの回路。
4 夢見る装置―覗いてみたい、意識の流れ。
5 仕掛けのある庭―感じてみたい、「宇宙」の呼吸。
6 遊園地漫遊―極めてみたい、人工の楽園。
7 外しの審美眼―探してみたい、価値観の尺度。
タグ:美術館
posted by はらぺ子 at 13:43|